恋の行方
混乱して頭が働かない。
来栖さんが、私を…?
さっきから続いている胸のザワザワが、私の不安を駆り立て、キョトキョトと視線を彷徨わせる。
冷静になろうと必死で気持ちを落ち着かせていると、ドアがノックされた。
返事を返せずにいると、ゆっくりとドアが開いてお兄ちゃんが顔を出した。
「澪、目が覚めたんだな」
「お、お兄ちゃん」
心配そうに私を見つめるお兄ちゃん。
「わ、わたし…」
「貧血で倒れたんだよ。ちゃんと飯食ってたか?」
「来栖さん、は?」
「リビングにいる」
質問に答えずに来栖さんの事を聞くと、眉根を寄せてそう返された。