恋の行方
来栖さんが帰った後、私はいつものソファに腰掛け、今にも泣き出しそうになっていた。
いろんな感情が溢れて、零れ落ちていく。
その感情を掬い取ることが出来ない自分に苛々する。
「澪…?」
「……」
「ちゃんと来栖と向き合ってやれ」
「そんなの…」
わかってる。って言おうとしたけど、言えなかった。
私は向き合ってない気がする。
…でも、どうすればいいの?
溢れる感情を制御出来ずに、一筋の涙が頬を伝っていく。
そんな私に、お兄ちゃんが語りかけてくる。