恋の行方
「ねぇ、お兄ちゃん」
「ん?」
後ろから抱きついたままお兄ちゃんに話しかける。
「あのね、勉強教えてほしいの」
「勉強?どうした?急に」
「最近、成績下がっちゃって」
「へぇ~澪が?珍しいな。でっ?なんの教科?」
「英語と数学」
「あ~ 数学なら教えてやれるけど、英語は俺もなぁ…」
その自信のない声に、お兄ちゃんが苦笑しているのがわかる。
「やっぱり?お兄ちゃん英語苦手だから無理かなぁって思ったんだけど」
「わかってて言ったのか?」
「お兄ちゃんの事だもん。苦手な教科ぐらい知ってる」
クスクスと笑いながら、お兄ちゃんの背に体重をかけたら「重い」って呻いたけど、嫌がる素振りじゃないのがすごく嬉しくて、さらに体重をかけてしまう。