恋の行方


「俺の友達に英語が得意な奴がいるから、そいつに頼んでやろうか?」
「えっ~?お兄ちゃんに教えてもらえないならいいよ。自分でなんとかする」
「ダメだ。自分でなんとか出来ないから俺に頼んでるんだろ」
「うっ…」

私の腕を緩めて振り返り、反論は言わせないというような言い方に、言葉が出ない。
実際、お兄ちゃんに頼んだ時点で、なんともならない状況だから、反論のしようもないんだけど。

「大丈夫、いい奴だから」
「でもやっぱり知らない人と2人になるのは嫌」

眉を下げて訴えるようにお兄ちゃんを見つめる。

「そうだなぁ、どうしてもって言うなら、俺が一緒にいてやるけど」
「じゃあ、そうして!」
「わかったよ」

フッと微笑んで、私の頭を撫でてくれる。
これは、昔からのお兄ちゃんの癖。
私はこれがすごく好き。

お兄ちゃんにそうされると、とっても安心するから。


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