この先も、ずっと。
私は涙を流しながらも息を潜めた。


でも、そんな努力もむなしく、
足音が近づいて来て真後ろで止まった。

怖くて振り向く事は出来ない。




フワッ

その瞬間、私は抱き上げられた。

びっくりして顔を上げると、
愛しい人の顔。

冬夜だった。

てっきり泥棒だと思っていた私は驚きを隠せなかった。

冬夜は何も言わず、
私を抱いたまま寝室へと向かった。


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