君に届け
真先輩に相談した。
この気持ちは、幸村への想いはよくないものなのか…と。
すると、先輩は言った。
『バカかぁ…?よくない訳ないだろ。恋するのが悪いことなのかよ?俺は、他の誰が何と言おうと、お前の恋を応援するよ。』
先輩は、俺の肩を叩いて、よかったなと言って笑顔を見せた。
先輩の言葉に勇気づけられた俺は、この想いを断ち切ったりはしないと誓った。
もう後悔したくない…
また、愛奈の時のようにはなりたくない…
「なぁ、幸村…」
「なに?」
荷物に埋もれたソファーをとりあえず片付けて幸村の座るスペースを作ってやる。
「晩飯、どうする?」
「ん〜…作る?」
作るって…
「たいして使えそうな材料、ないぞ…?」
「何もない訳じゃないんでしょ?見せて…」
幸村はそう言って、キッチンへと歩いていく。