君に届け



「幸村〜…?」



呼びかけてみるが、反応は全くなし。



怪しいな…
そう思い、俺は部屋を出て辺りを見渡した。



「あっ…」



案外すぐに見つけた。
幸村は、さっき急いで片付けたソファーの上にいた。



「幸村〜」



近くで呼びかけるが、やっぱり反応がない。



こいつもしかして…
寝てんのか?



俺の勘は的中。
幸村は目を閉じて、定期的な寝息を立てている。



俺が頬に触っても、頭を撫でてみても、反応なし。



熟睡だな…



よっぽど疲れてたのか、単なる寝不足なのか…



それはわからないが。



寝顔を見てると、起こす気が引けてくる。



俺は幸村をそのままにして、また立ち上がった。






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