君に届け
「あり…がと。」
あたしの言葉を聞き、しばらくしてから池澤が答えた。
「まさかこんな感じになるとは思わなかったから…俺も何て言ったらいいか、イマイチよくわかんないけど。
これから…
よろしくな?」
これからよろしく…?
「あ、うん…」
よくわからないまま返事をしたあたしは、その後に言葉の意味に気付いた。
さっきのって…
付き合うって意味…?
「なんだかんだで遅くなったけど…飯、食う?
冷めちまったけど…」
「うん…」
もう何でもいいや─
告白にエネルギーを使い過ぎたあたしは、何も考えられなかった。
料理を温め直そうとレンジに入れる池澤を見て、現実がやっと理解出来始めた。
あぁ…
あたし、池澤の生徒じゃなくて、彼女って立場に立っちゃったんだなぁ…と。