君に届け



「顔、赤いよ?」



池澤…じゃない、憲介はあたしの頭を軽くポンポンと叩いて言った。



「だって…」



「だって、何?」



顔近い…



「恥ずかしい…もん。」



小さい声で、絞り出すようにあたしは言った。



だって…
さっきの一瞬で今までの関係より一歩進んじゃったんだよ?



告白されて、承諾する代わりに告白し返したのはあたしだけど…でも…



「恥ずかしい…」



やっぱりその言葉しか、あたしの口からは出ない。



「そっか…」



…憲介はしばらく考えるように天井を見上げた。



そして、あたしに視線を戻して頭を撫でる。



「……?」



「恥ずかしいのは、俺も同じだよ…」



そう言って、あたしの前髪を手で上げて…



そっと、額にキスをした。






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