君に届け
9.危険な再会
次の日─
あたしが朝、目を覚ますとお母さんの姿はなかった。
代わりに、机の上にあった手紙。
あたしはそれを手にして、読んでみた。
【穂波へ
仕事を探しに行って来ます。
ちゃんと鍵を閉めて学校行くのよ。じゃあね。】
もう行っちゃったんだ…
お母さん、いい仕事が見つかるといいな。
あたしはそう思いながら学校に行く準備をする。
まだまだ時間は余裕。
こんなに早く学校に行ったことはないけど…
でも、早く学校に行けば池澤に会えるし、遅刻もしないし、悪いことは何にもない。
制服を着て、髪をセットした後、鞄を持って家を出る。
早く学校行こ…
そう思いながら鍵を閉めていたその時…!
「穂波…?」
誰かがあたしの名前を呼ぶ声が聞こえた─
この声って…
「侑隼…?」