君に届け



「え…?」



訳わかんない…



「今日は帰るよ。学校行かないとだし…穂波、じゃまたな。」



侑隼はそう言うと、笑顔を見せて去っていった─



あたしは、侑隼の姿が見えなくなってすぐ、その場にしゃがみ込んだ。



侑隼…
何しに来たの…?



あいつのことだから、本当にあたしに会いに来ただけではないと思う。



何を企んでるの…?



あたしはもう、あの頃のようにはなりたくない。



池澤に出逢う前の…
心を閉ざし、暗闇の中にいたあたしになんて…



戻りたくないよ─



〜♪♪♪…



泣きそうになっていたその時、携帯のメール着信音が鳴り響く。



「…綾…芽?」



携帯を手にしてメールを読むと、送り主は綾芽。



-------------------
200X/4/X 7:43
From 矢野 綾芽
Sub 穂波〜
-------------------

おはよ〜起きてる?
これから学校一緒に
行かない?

-------------------








< 139 / 282 >

この作品をシェア

pagetop