君に届け
「え…?」
訳わかんない…
「今日は帰るよ。学校行かないとだし…穂波、じゃまたな。」
侑隼はそう言うと、笑顔を見せて去っていった─
あたしは、侑隼の姿が見えなくなってすぐ、その場にしゃがみ込んだ。
侑隼…
何しに来たの…?
あいつのことだから、本当にあたしに会いに来ただけではないと思う。
何を企んでるの…?
あたしはもう、あの頃のようにはなりたくない。
池澤に出逢う前の…
心を閉ざし、暗闇の中にいたあたしになんて…
戻りたくないよ─
〜♪♪♪…
泣きそうになっていたその時、携帯のメール着信音が鳴り響く。
「…綾…芽?」
携帯を手にしてメールを読むと、送り主は綾芽。
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200X/4/X 7:43
From 矢野 綾芽
Sub 穂波〜
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おはよ〜起きてる?
これから学校一緒に
行かない?
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