君に届け
「幸村!!」
メールを送ったすぐ後、池澤が大声を出す。
「なに…?」
「なにって…お前、よくこんなこと言うな!」
怒ってるのか、池澤は携帯の画面をあたしに見せながら言う。
どうやら、メールで話はやめたみたい…
「何気に酷いなぁ…俺、結構弱いんだぞ…」
「傷付いた?」
一応聞いてみる。
「うん…」
池澤は、落ち込んだような顔を見せて木の幹に額を当てる。
「池澤…?」
名前を呼んでも反応はなし。
「池澤…?」
もう一回呼んでみる。
反応はなし…
「池澤先生…?」
これならどうだ!!
あたしの賭けは当たった。
池澤はこっちを振り向く。