君に届け
池澤の勘
「穂波〜!!」
公園に着いたあたしに、大声を出しながら手を振る綾芽。
「ごめん…待った?」
「全っ然♪」
綾芽は、明るい笑顔であたしに微笑みかける。
「じゃ、行こっか!」
学校はここから普通に歩いて15分くらいで着く。
あたしは綾芽と仲良く話しながら学校へと向かう。
侑隼のことは…
言えなかった。
綾芽は侑隼と同じ中学出身だから…
侑隼のことは綾芽も知ってるはずだし。
あんな度の越えた不良を知らない生徒なんて、あの中学出身の人にはいないと思う。
だから余計に言い辛かったんだ…
綾芽はあたしがそんな奴らと関わっていたことを知らない訳だし…
「おはよぉ〜!!」
そんなことを考えているうちに、あたしたちは学校に着いた。