君に届け
「おかえり、穂波。」
席につくと、綾芽があたしに向かって言った。
「さっき池澤先生がここに来たよ。穂波に用事あったみたいだけど…?」
「マジ…?」
「うん。でさ、後で職員室来てだって♪」
呼び出しするなんて、池澤、そんなに怒ってんのかな…?
やっぱ学校だし、携帯なんて見ないよね…
「わかった、後で行く。」
綾芽にそう言って、あたしは窓の外を見た。
早くHR終わらないかな…
「…じゃあHR終わります。各自1限の準備をして下さい。」
葛城先生がそう言ったのを聞いて、あたしは教室を飛び出した。