君に届け
何を考えてるのかはわからないけど、侑隼は必ず何かしらの行動をするはず。
「だから…怖い。」
侑隼に会った時、ドキドキも何もしなかった。
あの時、あたしの頭に真っ先に浮かんだのは池澤の笑顔だった─
心から池澤に会いたいって思った。
「大丈夫…その侑隼だったか?そいつが何度来たって、俺がお前を守るから…」
「でもっ…!」
「俺を信じて…幸村、大丈夫だから…」
池澤はそう言うと、優しくあたしの頭を撫でた。
「……っ…」
「泣くなって…」
『俺がお前を守る』
あたしは池澤のその言葉が何よりも嬉しかった。
だから…
今のは嬉し涙だよ─