君に届け



何を考えてるのかはわからないけど、侑隼は必ず何かしらの行動をするはず。



「だから…怖い。」



侑隼に会った時、ドキドキも何もしなかった。



あの時、あたしの頭に真っ先に浮かんだのは池澤の笑顔だった─



心から池澤に会いたいって思った。



「大丈夫…その侑隼だったか?そいつが何度来たって、俺がお前を守るから…」



「でもっ…!」



「俺を信じて…幸村、大丈夫だから…」



池澤はそう言うと、優しくあたしの頭を撫でた。



「……っ…」



「泣くなって…」



『俺がお前を守る』



あたしは池澤のその言葉が何よりも嬉しかった。



だから…
今のは嬉し涙だよ─







< 152 / 282 >

この作品をシェア

pagetop