君に届け



「あ…」



「授業、始まっちゃったな…」



このチャイムは始業の合図。



「お前1限何だっけ?」



「確か…理科。」



うちのクラスの理科担当は、担任の葛城先生。



「なら大丈夫。先輩には俺から言っとくから。」



本格的に授業をサボるのは中2以来かな…?



「授業内容はわかんなかったら俺に聞いて。一応、理科は出来るからさ♪」



「うん。」



「あ〜…英語だったらマジヤバかった。俺さ、英語出来ないんだよね…」



「ふぅ〜ん。池澤にも苦手な物あるんだね?」



「そりゃあるよ、俺だって人間だし。科目だったら英語、食べ物だったら…」



そう言って、池澤はどんどん嫌いな物をあげていく。



意外と多いな…
あたしは聞きながらそんなことを思ってた。







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