君に届け
「てか、お前らって…俺も入ってんの?」
「当たり前。あたしだけ怒られるのは理不尽じゃん。」
「そっか…じゃあ俺も一緒に怒られるか。先輩ならすぐ許してくれるよ。」
許す前に呆れちゃうと思うけどな…
あたしだけじゃなくて、池澤も怒らないといけないんだもん─
「幸村…」
「ん?」
「今…楽しい?」
突然の質問だけど、あたしが答えることはちゃんと1つに決まってる。
「うん、楽しいよ。」
池澤と出逢ってから、あたしは普通に笑えるようになった。
友達も出来た。
池澤が側にいてくれるから、あたしは楽しく毎日を過ごしていける。
「よかった…」
「池澤は?楽しい?」
「当たり前。今は自分の好きな仕事も出来てるし、こうやって大切な人も側にいるから…」
そう言って、池澤はあたしの肩に手を回して身体を引き寄せた。
「……池澤?」
「幸村…約束。ずっと俺の側にいて?」