君に届け
2.ともだち



それからあたしは、入学式が終わる時間まで池澤と喋ってた。



すっかり池澤に心を開いたあたしは、ついさっきまで校門の看板を睨み付けてたあたしとは全くの別人になってた。



「よし…そろそろ行くか!」



「行くってどこに?」



立ち上がった池澤を見上げながら、あたしは尋ねた。



「どこにって…職員室。言い訳しにな!」



池澤は、満面の笑みであたしを見下ろして言う。



今思えば…
背、高いな…



どうでもいいけど。



「どんな言い訳するつもり?」



「大丈夫!全部俺に任しとけって。」



胸を張ってそう答える池澤に、あたしは不安を感じた。



「行くぞっ♪」






で、今、あたしと池澤は職員室の前にいる。






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