君に届け
「……っ─!」
「穂波〜…俺、お前がいなくなって寂しかった。」
侑隼の言葉は、嘘の塊でしかない。
寂しかったなんて、本心なはずはない…
「嘘…本当はそんなこと思ってない癖に…」
「へへっ…バレた?」
侑隼はあたしの顎から手を離して、笑い声をあげた。
「女なんていくらでもいるしな…俺はそんな未練がましくないから。」
「じゃあ、何で…?」
何であたしをわざわざこんな所まで連れて来たの…?
「穂波を連れて来た理由?それはねぇ…ムカつくから。」
ムカつく…?
「俺を振って、教師なんかと付き合ってるお前が…幸せそうなお前がムカつくんだよ!!!」
侑隼はそう叫ぶと、あたしの頬を平手で叩いた。