君に届け



「………」



無言で職員室のスライドドアを見つめるあたし。



「はぁ…」



あたしの隣で大きく息をはく池澤。



意を決したのか、池澤はスライドドアを開けた。



「失礼しまぁ…す。」



弱い声…
また不安が募る。



こんな状態で言い訳なんて出来んの…?



「イケ!!!」



そんなことを考えていると、突然の大声が職員室の奥から聞こえた。



「お前…今まで何やってたんだよ!」



『イケ』ってのは、池澤のことらしい。



大声を出した人は、どうやら怒ってるようだ…



「すいませんっ…真先輩。」



真先輩?






< 18 / 282 >

この作品をシェア

pagetop