君に届け
「ん?こいつは…真先輩の弟の、葛城 涼哉【カツラギ リョウヤ】。」
葛城先生の弟…?
「初めまして。君たち、真兄ぃと憲兄ぃの生徒さん?」
「は…はい。」
「そっか…それにしても、2人共可愛いね♪」
涼哉さんがそう言った直後、池澤が涼哉さんの頭を拳骨で叩いた。
「痛っ…何すんだよ、暴力教師!!」
暴力教師って…
そこまで言わなくてもいいんじゃないかな…?
「黙れお前は…彼女いる癖に、女の子口説こうとするんじゃねぇよ。」
「憲兄ぃ、それ言うなよ…」
あっさりと彼女の存在をあたしたちに知られてしまった涼哉さんは、落ち込んでしまった─
それにしても、涼哉さんはお兄さんの葛城先生とはすごい違いだよね…?
改めて涼哉さんの顔をよく見てみる。
ずば抜けてカッコいいって程でもない所は、葛城先生によく似てる─
性格だけが大違いなのかな…?