君に届け
対面
病院を出たあたしたちは、とりあえずあの倉庫へ戻ることに。
池澤が倉庫の前に車を置きっぱなしにしてきたのが、あそこに戻る理由。
「車、運転出来るの?」
「大丈夫だって。涼哉が大袈裟に包帯巻いただけだから…心配すんな♪」
そう言って、いつもの調子であたしの頭を撫でようとした池澤だったけど…
「痛っ…!」
池澤の左手側にいるあたしを撫でようと思ったら、左手を使うしかなく─
案の定、そうした池澤の左手には痛みが走ってしまった様子。
やっぱり痛いんじゃん…
無理して強がってたのが明るみに出た…
「ったく…大丈夫?」
「…大丈夫。」
大丈夫じゃなさそうだけどなぁ…
そうこうしてるうちに、あたしたちは倉庫に戻って来た。