君に届け
「えっ?あぁ…ちょっとね。穂波と先生に会って欲しい人が今家にいるのよ。」
会って欲しい人…?
「誰…?」
「会ってからのお楽しみ♪さっ、行きましょ!」
お母さんはそう言うと、方向を変えて歩き出す。
意味わかんない…
「とりあえず、行ってみるか…」
「うん…」
訳がわからないまま、お母さんの後を付いて行く。
「遅いわよ、2人共!ほら、早く来て!!」
急かすお母さんに従い、早足で家に向かう。
「どうぞ♪」
「あ…お邪魔します。」
ドアを開けて入るように誘導するお母さんに、丁寧にお辞儀をする池澤。
後に付いて、あたしも家に入る。
「嘘…!」
目の前にいた人物は、想像を遥かに越えていた。
「お…父さ…ん?」