君に届け



「……?」



「お母さんとの仲直りは、彼女が自分で決めて、自分で行動した結果ですから。」



池澤は気を使ってるのか、遠慮気味に答える。



あたしと2人なら、絶対こんなこと言わないもんね…



「そうですか…池澤先生、どうぞこれからも、穂波のことをよろしくお願いしますね?」



「え…あ、はい!!」



よろしくって…



結婚の挨拶みたいになってると思うのは、あたしだけかな…?



池澤も顔真っ赤だし…



「2人共、驚いた?私が会わせたかった人ってのは、彼のことだったの♪」



お母さんは、あたしたちとお父さんの間に入り、満面の笑みを浮かべた。



「驚いたけど…なんでお父さんがここにいるの?」



街中ならまだ会う可能性はあると思うけど…



ここはあたしの家。
2人はあたしが小さい頃に離婚した。



仲が良かったら離婚なんてしない訳だし…



でも、逆に仲が悪ければ今こうやって一緒にいるのもおかしい─





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