君に届け



疑問が募る─



「それはね…」



あたしの質問に、お母さんは今日あったことを話し始めた。



──────



今日の朝から、お母さんは新しい仕事を探しに行っていた。



ここまでは知ってる。



その後、街中を歩いていると1人の男性と鉢合わせした─



それが偶然にもお父さんだったって訳。



──────



「…なるほど。」



「でね、話は穂波のことになったの。穂波に彼氏が出来たって言ったら会いたいって。だからここに連れて来たって訳!」



「そういうことだ。穂波の彼氏が教師ということには驚いたが、こんないい青年なら、安心して穂波を任せることが出来る。」



なんかとりあえず、2人の承認は得たみたい…



びっくりだけど。



お父さんまですぐに池澤のことを認めてくれるなんて…



普通なら殴るくらい当たり前なのに。



「あら…?先生、その左手どうしたの?」







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