君に届け



「当然のことです。だから…頭上げて下さい。」



「はぁ…」



2人のぎこちないやりとりを見ていると、こっちも落ち着かないよ…



「はいはい!2人共、もうその辺でこの話は終わりにしましょう。」



お母さんがお父さんと池澤の間に入り、やりとりを中止させた。



「穂波、元はアンタが原因なんだから、ちゃんと先生にお礼言いなさい!」



「病院行った時にちゃんとしたって…」



「全く…それと、もう二度とこんなことはないように。いいわね?」



「はい…」



お母さん、さっきまで言葉失ってた癖に…



「じゃあ、私はこの辺で…」



「お父さん、もう帰るの?」



「あぁ。これからまた会社に戻る予定なんだ。また来るよ…」



「うん…」



お父さんはあたしの頭を撫でると、笑顔で家から出ていった。






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