君に届け
結局こうなる─
俺はやっぱり、意気地も根性もないんだよな…
最低な男だ。
俺が悩んでる間に、幸村はオムライスを作り上げてしまい…
思ったことを言えぬまま、今に至る。
「池澤、食べないの…?」
そんな俺を見て、幸村は心配そうな顔をする。
「調子悪い…?」
「いや…全然大丈夫!この通り、元気だし。」
「そう?なら…いいけど。」
ダメだなぁ…俺。
さっきから、幸村に心配かけてばかりじゃん…
自己嫌悪に苛まれる。
「味…変じゃない?」
「ん…大丈夫。幸村は料理上手いんだな?」
「うん…小さい頃からやってるし、慣れだよ。」
「偉いな…」
俺はそう言って、幸村の頭に手を伸ばす。
こんなことくらいしか出来ないダメな俺…
許してくれな─