君に届け

決意




それから、ぎこちない空気のまま夕食が終わる。



あたしがいきなりあんなことしたからかな…?



池澤、気にしてる?



洗い物をしながら、時折池澤の方を見る。



あたしが持って来た数学の教科書を手に、難しい顔をしている─



「……」



話しかけてみようと思うけど、途中で止めてしまう…



なんか別れる寸前の人たちみたいな感じ。



明らかにすれ違ってるよね…



「幸村…終わった?」



そんなことを考えていると、池澤があたしに声をかけた。



終わったって…
洗い物のことかな?



「うん…」



素直に答える。



「そっか…じゃあ、ちょっと来て。」



何…?






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