君に届け
「幸村…」
「普通の恋愛よりちょっと肩身が狭いだけだし…我慢すれば大丈夫だよ♪」
あたしも正直怖い…
こんなに明るく振る舞っていても、バレた時のことを考えない訳じゃない─
でも、決めたんだ。
今を大事に過ごすって。
「時間は戻らない。後悔しても遅い…それは池澤もわかってるでしょ?」
「うん…」
「なら、後悔しない時間を過ごせばいいんだよ。あたしは池澤と一緒に過ごしていきたいな。」
その場の成り行きで、すごい恥ずかしいこと言っちゃった…
慌てて顔を手で隠す。
「ありがとう、幸村…俺もお前と同じ気持ちだから─」
「………?」
池澤の言葉を聞き、思わずあたしは顔を覆っていた手を離した。
「…もう好きじゃ伝えられないな。大事過ぎて─」
「え…?」
「穂波…愛してる。」
そう言って、池澤はあたしにそっとキスをした─