君に届け
「あぁ…同じ高校・大学出身の、先輩後輩。」
葛城先生からは、あっさりとした答えが返って来た。
まぁ…
それが普通だよね…
「そうですか…」
「それと…」
「へっ?」
驚いて間抜けな声を出してしまった。
まだ続きがあるの…?
「恋敵。」
「……?」
恋敵?
池澤と葛城先生が?
「どういうこと…ですか?」
「詳しいことは…イケから聞いてよ。俺はもう、あの時のことは、思い出したくないからさ…そんなことより、着いたよ。」
気付けば、あたしは教室の前にいた。
【1年5組】
そう書かれたプレートが目に入った。
「みんな、お待たせ!」