君に届け
綾芽の家は逆方向だから、いつもここで別れる。
1人になったあたしは、池澤の家へと向かう。
池澤は部活あるし、帰って来るのはだいぶ後だと思うけど…
自分の家に帰っても誰もいないからね─
お母さんは仕事だし。
考えながら歩いていると、いつの間にか池澤の家に着いたあたしは、鍵を開けて中に入る。
もう何回もやってることだから慣れている。
相変わらず散らかった部屋だなぁ…
池澤を待ってる間すごい暇だし、掃除でもしよう─