君に届け
「……ん〜…」
それからどれくらい時間が経ったんだろう?
気付いた時には、あたしはソファーの上で寝ていた。
あれ…?
確か部屋の掃除をしてて…
訳がわからないまま起き上がり、周りを見渡す。
来た時よりも少し暗くなった部屋─
今何時かな…?
「よぉ、起きた?」
時間を確認しようとしたその時、声がした。
「池澤…?」
念の為、呼んでみる。
「俺以外の奴がいたらおかしいだろ…何で疑問形なんだよ─」
やっぱり池澤だった。
当たり前だけど…
それにしても、池澤がここにいるってことは、だいぶ時間が過ぎた後ってことになる。
「よく寝てたな。起こすの可哀想だから、起きるまで待ってた。」
「え…いつから?」
「いつだろ〜な♪お前、熟睡だったから。」
そう言うと、池澤は意味深な笑みを浮かべた。