君に届け
この笑み、何かしたな…
顔に落書きとか?
「池澤、あたしが寝てる間に何かした…?」
「別に何もしねぇよ。俺は人の寝込みを襲ったりする趣味はないから…」
そういうことじゃなくて…
「違う…?じゃあ、顔に落書きとか初歩的なことしたとか思われてたり?てか、そんなことしないから。」
ガキじゃねぇんだし…と池澤は笑った。
悪かったね…
考え方がガキで。
「そんなことより、本当に勉強会しようと思ってたんだけど…時間なくなったな。」
「ごめん…」
「まぁ、それでもいいけど。勉強会なら明日でも出来るし、穂波の寝顔も見れたし!」
明日するの…?
嫌だなぁ─
「勉強嫌だ…」
「何それ?じゃあ、こっちの方がいい?」
そう言って、池澤はあたしの隣に座り、肩を引き寄せた。
「こっちは成績上がらないけど?」
「いい…」
「困った奴だな…留年したらどうすんの?」
留年も嫌だけど…
─ピーンポーン…♪
そんな時、誰かが呼び鈴を鳴らした。