君に届け
そんな唐突な…
「かのじょ〜?」
案の定、詩音ちゃんは、池澤の答えを聞いて首を傾げる。
わかんないよね…
まだ小さいんだし。
「詩音、彼女って言うのははね、友達より大事な女の子ってことなの。」
すかさず志帆さんが補足説明をする。
「そっか。わかった〜♪おねぇちゃん、お名前は?」
「え…穂波、だけど?」
兄弟もいないし、小さい子の扱いに慣れてないあたしは、困惑気味に答える。
「穂波おねぇちゃん!」
詩音ちゃんは、あたしの答えを聞くと、満面の笑みを浮かべた。
可愛い…
そう思ったあたしは、そっと詩音ちゃんの頭を撫でた。
「で、姉貴。今日は何しに来たんだよ?」
詩音ちゃんと話してる間に喧嘩は終わったのか、池澤が志帆さんに尋ねる。