君に届け
13.側にいなくても
なに…?
あたしだって、さすがに場の空気を読むことくらいは出来る。
この時、話の内容があたしはいいことではないなと悟った─
「私ね、穂波ちゃんが憲介の生徒だってこと知ってたの。もちろん、彼女だってことも…」
嘘…
さっき、知らないような感じで言ってたのに─
「でね、私がその話を聞いたのはつい最近で、もう2人が付き合い出した後だった…」
「誰に…聞いたんですか?」
もう大体の目星はついてるけど、一応尋ねる。
「穂波ちゃんの担任で、私の友達。そう言ったらわかるよね?」
やっぱりか…
「本題に戻るね。普通に考えて、教師と生徒の恋愛は危険…そうだよね?」
「はい…」
そんなことは覚悟した上で、池澤と一緒にいる。
決めたから…
「そんな目しなくてもいいよ。私は真と同じ、2人を応援したいから。別れさせるつもりはないわ…」
志帆さんはそう言って、池澤に視線を移した。