君に届け
そして、次はあたしたち生徒の番…
名前の順で男子からだから、あたしは一番最後。
名前と出身中学+αでよろしくと言われたけど…
αは無しでいいや…
てか、名前だけで充分でしょ…
そんなことを考えていた時…
「ねぇ…」
前の席の女子が、後ろを振り向いて話しかけてきた。
「名前、何て言うの?」
突然何を言い出すかと思ったら、そんな質問…
順番が回ってきたら言うのに…
なんで待てない訳?
あたしは少し、前の席の女子に苛ついていた。
「私は矢野 綾芽【ヤノ アヤメ】って言うの。」
痺れを切らした女子…矢野さんは、先に自分の名前を名乗った。