君に届け



まずは遊びに行って…



宿題とか面倒なことは後回しにしよう。



池澤に手伝ってもらえば大丈夫だもん…



「…以上だ。長い休みだし、遊びたい気持ちもあると思うけど、やるべきことはちゃんとやるように。じゃあ、いい夏休みを過ごして下さい!」



葛城先生の言葉に、みんなが一斉に返事をして帰る準備を始める。



さて…
やっと夏休みだ─



「穂波!」



みんなが帰り始める中、綾芽が声をかけてきた。



「穂波は夏休み何するの?あ、彼氏の家にお泊まりとか?」



「綾芽…」



確かにそれは予定の中に入ってるけど─



「いいなぁ…私もやってみた〜い。」



綾芽なら出来るでしょ…



そんなことを言うと、綾芽は大爆笑。



「ないない。前にも言ったじゃん!私はそんな大事な人はいないから…あ。」



あたしの肩を叩きながらそう言っていた綾芽だけど、何かに気付いたようだ。



口を開けたまま、固まっている…





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