君に届け
転勤の話から、たまにこんな風に気まずくなる。
明らかにすれ違ってる…
勉強してる時はそんなことはないんだけど─
「…はぁ。」
「幸村?」
靴箱に向かう途中、ため息をついていると、声をかけられた。
振り返ってみると…
「葛城先生…」
さっきまで教室にいた、葛城先生だった。
「どうした?ため息なんかついて…イケと喧嘩でもしたのか?」
「喧嘩っていうか…」
あたしは、葛城先生にこれまでの経緯を話した。
「なるほど…転勤か。そりゃ、教師には付き物な問題だな─」
「先生、常勤講師ってそんなすぐに学校変わらないといけないの?」
あたしは、一番の疑問を葛城先生にぶつける。
すると、葛城先生は腕組みをしてしばらく考え込むような表情を浮かべた。
そして…