君に届け
「お姉ちゃん、一緒に遊ぼ〜♪」
詩音ちゃんは、早速背負っていたリュックから人形を取り出した。
「あ…うん。」
何かこの人形、すごい外見なんだけど─
怪物…かな?
「お姉ちゃんは敵役ね。」
なるほど…
敵役なら理解出来る。
って、詩音ちゃんはこんなのが好きなんだ…
男の子っぽい。
戦隊モノはあまり詳しくないんだけど、どこかで見たことある…
「詩音ちゃんはこんなのが好きなの?」
あたしが人形を持ちながらそう聞いてみると…
「うん!面白いから♪」
即答。
詩音ちゃんは戦いがしたいらしく、あたしもそれなりに頑張った。
最後はわざとらしく怪物が倒れて終わり─
これは原則なのかな?
「もう一回!!」
そんな感じで、しばらく戦いを続けていた時…
「ただいま。」