君に届け



「お姉ちゃん、一緒に遊ぼ〜♪」



詩音ちゃんは、早速背負っていたリュックから人形を取り出した。



「あ…うん。」



何かこの人形、すごい外見なんだけど─



怪物…かな?



「お姉ちゃんは敵役ね。」



なるほど…
敵役なら理解出来る。



って、詩音ちゃんはこんなのが好きなんだ…



男の子っぽい。



戦隊モノはあまり詳しくないんだけど、どこかで見たことある…



「詩音ちゃんはこんなのが好きなの?」



あたしが人形を持ちながらそう聞いてみると…



「うん!面白いから♪」



即答。



詩音ちゃんは戦いがしたいらしく、あたしもそれなりに頑張った。



最後はわざとらしく怪物が倒れて終わり─



これは原則なのかな?



「もう一回!!」



そんな感じで、しばらく戦いを続けていた時…



「ただいま。」






< 248 / 282 >

この作品をシェア

pagetop