君に届け



人と関わるのはやっぱり苦手…



でも、矢野さんはそんなあたしに笑顔を向けてる。



あたしが名前を言うのを待ってるんだ…



仕方ない…



「あたしは…幸村 穂波。」



言えた…
これも池澤のおかげかな?



「幸村さん…か。よろしくね♪」



差し出された手を、ぎこちない笑顔で握るあたし。



「私…クラスに友達いなくて不安だったんだぁ…幸村さん、よかったら私の友達になってくれない?」



えっ…?
友達─



「ダメ…かな?」



「うぅん。そんなこと…ないよ。こっちこそ、よろしくね。」



あたしは、自分で自分にびっくりしていた。



まさか…
あたしに友達が出来るなんて…






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