君に届け



それから数時間─



たくさん遊んだ詩音ちゃんは、今は夢の中。



そう言えば池澤は…?



さっきまでいた部屋の隣の部屋で詩音ちゃんを寝かしつけていたあたしは、そっとドアを開けた…



「……………」



静かな部屋。



辺りを見渡すと、いた…



ソファーの上。
寝てるのかな…?



起こさないように、そっと近付いていく。



やっぱり寝てた─
注意を払い、慎重に池澤の顔を覗き込む。



「上手くいくかな…?」



学校で、葛城先生が提案してくれたアレ…



いくら池澤が単純でも、アレだけでは無理だと思うんだけどな─



でも、池澤とは結構付き合いの長い葛城先生がそう言ってるんだし…



そんなことを考えていた、まさにその時!



「んん…」



「……っ!」



池澤が目を開けた─






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