君に届け
事故
「えっと…元素は─」
今は化学の時間。
あれだけ嫌いだった理系だけど、憲介の影響で案外好きになれた。
そのせいか…
あたしは今、理系クラスに在籍している。
やってみると、これが結構楽しいんだ─
綾芽もそんなあたしに影響を受けたと言っていた。
ノートを取り終わり、ふと窓の外を見る。
綺麗な青空…
中庭で見れば、もっと綺麗に見えるかも─
今日のお昼は綾芽を誘って中庭で食べよう。
そう決意した時─
「葛城先生!!」
授業中にも関わらず、そこに現れたのは、学年主任の一條先生だった。
なんか、ただならぬ雰囲気だけど…
何かあったのかな?
一條先生に耳打ちされ、葛城先生は驚きの表情を浮かべる。
そして…
あたしを見た。