君に届け
慣れた口調でそう言うと、その人は続けた。
「一命はとりとめましたが、運び込まれた時の状況からして、何らかの後遺症が残る可能性があります。」
後遺症…?
「脳に障害が残るとか、記憶喪失、他には身体の麻痺なども考えられます。」
淡々と告げられたことは、「はいそうですか。」と受け入れられるものとは明らかに異なる。
何でそんなこと言うの…
「これはあくまで可能性の話です。…ですが、そうなる覚悟もしておいて下さい。失礼します─」
言い終わると、その人はお辞儀をして去っていった。
もう…嫌だ。
誰か…助けて。