君に届け
呼べた…
あたし、この数時間でまるっきり変われた。
後で池澤にお礼でも言いに行こうかな…?
そんなことも思えるようになっていた。
「ありがとう、穂波!すごい嬉しい…」
矢野さん…あっ、綾芽も早速あたしの名前を呼ぶ。
なんだか…
くすぐったい気分─
「次、矢野!」
自己紹介も終盤に差し掛かり、遂に綾芽の番。
次はあたしか…
「えっと…西中出身の矢野 綾芽と言います。みなさん、仲良くして下さい…」
西中?
侑隼と同じだ…
「ラスト、幸村!」
葛城先生に指名され、あたしは立ち上がる。
「…南中出身、幸村 穂波。よろしくお願いします。」
クラスメイトの拍手を聞き、あたしは席についた。
「よし…みんな、仲良くやっていこうな!」
葛城先生が締めの言葉を言い、この日は終わりを迎えた。