君に届け



不思議な感じ…



俺はここにいるのに、下にも俺がいる。



「あれが池澤くん本体。今私と喋ってるのは…魂だけの池澤くんだよ。」



「意味わかんない…」



「この理屈は難しいよ。頭では理解出来ないもん…」



要するに、俺は魂と身体に分裂している。



…?
やっぱりわからない。



「池澤くんはね、交通事故に遭って意識不明の状態になってるの。」



事故…?
意識不明…?



確か、コピー用紙が足りないとかで授業のない俺が買い出しに行って…



そこから記憶がない─



「あれから一度も池澤くんは目を覚ましてないの。みんな心配してる…」



みんな?



姉貴や真先輩、穂波のことを言ってるのか?



「まさかここまで来ちゃうとは想定外。」



「愛奈…」



「ん?」



「俺はどうなる?これから…死ぬのか?」






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