君に届け
久しぶりに愛奈と話せたことは、良かったと思う。
でも…
お別れだな。
「またね、池澤くん。」
愛奈はそう言うと、俺に両手のひらを向けた。
「眩しいけど我慢して。元の世界に返すから─」
「あぁ…頼む。」
俺が言ったのと同時に、光が目に入ってくる。
眩しいだけで何もないが、小さな声が聞こえた。
「池澤くん…大切な人たちとお幸せに。」
言われなくてもそうするよ、愛奈…
お前の分まで、俺が人生全うしてやるから─
また会う時まで
さよなら。