君に届け
奇跡
「幸村。」
憲介が事故に遭ってから、もう1週間が過ぎた。
「あ…葛城先生。」
「元気か?」
相変わらず憲介は目を覚ましてくれないけど、あたしは毎日病院に通ってる。
「うん…」
「そっか…よかった。お前まで体調崩されたら大変だからな─」
そう言って、葛城先生はあたしの頭に手を置いた。
「ごめんなさい…色々と迷惑かけて。」
「いや、迷惑なんかじゃねぇって。…イケには早く起きて驚いて欲しいな。」
葛城先生が言う、『憲介に驚いて欲しいこと』
それは…
3日前に判明したこと。
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