君に届け
志帆さんとICUの前に座っていたあの時。
「穂波ちゃん…?」
何だか突然気分が悪くなってきて、志帆さんに寄りかかった。
「大丈夫?」
「気分悪い…」
「熱でもあるの?」
志帆さんの白い手が、あたしの額に伸ばされる。
「…熱はないわね。気分悪いだけ?」
「はい…」
風邪でも引いたかな…?
志帆さんに付き添われてトイレに行く時、あたしはそう思っていた─
「まさか…」
トイレに着いてすぐ、志帆さんは呟いた。
「あのバカっ…」
「志帆さん?」
あたしは、志帆さんが何のことを言ってるのか見当がつかなかった。
どうしたのかな?