君に届け
「はぁ…」
「…この1週間色々あったな。幸村、疲れてない?」
確かに色々あった。
もう…大変だ。
「大丈夫です。あ…それより、綾芽は元気にしてますか?」
「矢野?あぁ…あいつはいつも通り。お前の分まで勉強するって張り切ってたけどな。」
あたしが突然あんなこと言ったから、気にしてたらどうしようって思ったけど…
大丈夫そうだ。
「イケの看病もいいけど、自分の身体も気遣えよ。」
「わかってます。」
「本当に迷惑な奴だな…早く起きろっての。」
葛城先生はそう言うと、憲介の額にデコピン攻撃。
反応は…なし。
「はは…これで起きたら苦労はしないよな。」
なんて、冗談めいたことを言って笑っていたその時─
微かにだけど、憲介の指が動いた。