君に届け
あたしは…
2日前、高校を退学した。
理由は…妊娠。
志帆さんと一緒に病院で検査した結果、わかったこと。
葛城先生に相談して、学校側に伝えてもらった。
もちろん、相手が憲介であることは伏せている。
校長は、意外とあっさり退学を認めてくれた。
ギリギリまで黙ってから言う選択肢もあったけど…
みんなに隠し事をするのはどうしても嫌だった。
だから…
退学を選んだ。
「…そういう訳。ごめんね、勝手に決めて─」
終始黙って話を聞いていた憲介は、少し間をあけて首を横に振った。
「…いい…、よ。」
俺が悪い。
そう憲介は呟いた。
そうじゃないよ…
この件に関しては、あたしにも責任がある。
だからと言って、後悔はしない。
あたしは
あたしが選んだ道を進む。